和のお香の歴史はとても古く、日本書紀に

推古天皇三年の夏四月に 
沈水淡路嶋に漂着れり 
其の大きさ一圍(ひといだき) 
嶋人 沈水といふことを知らずして 
薪に交てて竈に焼く 
其の烟気遠く薫る

と記述があるように相当古い時代まで遡ることができます。

その後、宮中での遊戯、茶道に欠かせないアイテムとして、また武士の時代になれば精神統一のツールとして重宝されました。

江戸時代になると寺請制度が完成したこともあり、お線香なども普及。お香は一般庶民の知るところともなりました。しかし残念ながらその後、明治維新の流れによって一気に衰退の途を辿ってしまったと言われています。

ところが時代の流れとは誠に妙なものです。令和時代のこの先の見えない不安な情勢のなかとなっては、

ひとときの癒しを誘うアイテムとして、お香はまた人気を盛り返しているようです。

このように長い長い悠久の時を経て参りましたお香でございますが、仏教と切っても切り離せない関係にあることをご存知でしょうか。

遺された我々の想いやお経は

お線香の煙に乗って旅立ったあの人のもとへ届く

これは亡き祖父がよく私に語っていた言葉でした。

何でも指ひとつで欲しい情報が得られ、

より速く・よりたくさん・より効率的に

が当たり前の価値観として息づく現代は、一方で目に見えるモノや数字などにとらわれすぎて「見えない世界」を意識することが少なくなりました。

それはそれでいいじゃないか、と言われれば仏香師の私の出る幕は無いのでございますが、見えるモノだけにとらわれた結果、不安や恐怖に対抗する「心のノウハウ」が消失していき、頭では処理できても心の奥底で止まない悲鳴にどうすることもできなくなったとき、大きな社会問題・家庭問題が起こってくるのではないでしょうか。

かといって、見えない世界や精神世界のに傾倒し過ぎて地に足をつけた現実的な考え方ができない方が増えていることも現代の何とも痛ましい現状です。

仏香師・今井賢徳と、当店・御香所燕雀殿は

現実世界と見えない世界の橋渡し

を信念に、和のお香の持つ潜在能力を活かして現代を生きる皆さまの心の支えになる商品を

手づくり

天然香木使用と自然への敬意

をコンセプトに製作・販売。

同時に

脳や意識の仕組みも踏まえた、見えない世界のお話会やお香体験ワークを

仏さまの世界観

ものごとの本質を観ること

をコンセプトに主催する、珍しい御香所でございます。

たくさんの皆さまにお会いできることを日々心待ちにしております。

仏香師 今井賢徳 拝

PAGE TOP